環境にやさしい住まいは住む人にもやさしい

やさしい住まい地球誕生は、今から46億年前。21世紀初頭では唯一、生命の宿る惑星です。様々な生物が地球上で生まれ、共存共栄しながらいのちを育んできました。 何億年何万年かけて… 。人が誕生してから約200万年の間、他の生き物にはない能力を進化させた結果、いまや地球上の生命のトップにいます。 いや、トップにいると勘違いしているのかもしれません。今まで、“人”が快適に生きていく為に、どれだけの自然を破壊したでしょうか? どれだけの仲間“他の地球上生命”の命を犠牲にしてきたでしょうか? どれだけ地球の環境を壊してきたでしょうか?

1992年6月。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで“環境と開発に関する国連会議(環境サミット)が開かれました。 その中で、若干12歳の少女“セヴァン・スズキ”が語った言葉の一部です。

こんにちは、セヴァン・スズキです。エコを代表してお話しします。 エコというのは、子供環境運動(エンヴァイロンメンタル・チルドレンズ・オーガニゼェーション)の略です。 カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、今の世界を変えるためにがんばっています。 あなたがた大人たちにも、ぜひ生き方をかえていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、 カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。

私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。 世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。 そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。 太陽のもとにでるのが、私はこわい。オゾン層に穴があいたから。呼吸をすることさえこわい。 空気にどんな毒が入っているかもしれないから。父とよくバンクーバーで釣りをしたものです。 数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまで。そして今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。 それらは、もう永遠にもどってはこないんです。

やさしい住まいこんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。 まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。 でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。
死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。 そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。 どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。

やさしい住まい2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私達はショックを受けました ひとりの子どもが私たちにこう言いました。「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べ物と、着る物と、薬と、住む場所と、やさしさと愛情をあげるのに。」家もなにもないひとりの子どもが、分かちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、いったいどうしてなんでしょう。 これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じぐらいの年だということが、私の頭をはなれません。どこに生れついたかによって、こんなにも人生がちがってしまう。 私がリオの貧民窟に住む子どものひとりだったかもしれないんです。 ソマリアの飢えた子どもだったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドでこじきをしてたかもしれないんです。 もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。 私はまだ子どもだけどこのことを知っています。

なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。 そしていったい誰のためにやっているのか。 それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためです。 あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。

父はいつも私に不言実行、つまり何を言うかではなく何をするかでその人の値うちが決まるといいます。 しかしあなたがた大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。 あなたがたはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、私はいわせてもらいたい。 もしそのことばが本当なら、どうか、本当だということを行動でしめしてください。

このセヴァン・スズキという12歳の女の子の想いをどう感じとるのか? それは、人それぞれかもしれません。 しかし、私たちバリア・フリー工房は住まいづくりを通して環境を!未来を!命を!心を!壊してはいけない!と固く誓いました。 自分が心地いいから、他の生き物に迷惑をかけてもいい… ではなく地球の生命の一員として互いに共存していける… そんな想いから地産地消にこだわり、環境と自然と人の心と体に優しい化学物質を含まない住まいづくりをしていきます。

“地球に育てられ、地球に還る”
“世代を超えて、時を刻む”
“住む家(間借)から、暮らす住まい(巣)へ”

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